労働者派遣法

労働者派遣法は、労働力の需給の適正な調整を図るために労働者派遣事業の適正な運営を確保するとともに、派遣労働者の就業条件の整備を図ることを目的としています。

労働者派遣とは、自己の雇用する労働者を、その雇用関係のもとにかつ他人の指揮命令を受けて、当該他人のために従業させることをいいます。

文字だけでは分かりにくい部分も多いと思うので、パワーポイントで図表を作りました。

メリットと問題点

派遣労働のメリットを企業の立場と労働者の立場でまとめました。

  • 企業にとってのメリット
    • 弾力的に人材の調達ができる。
    • 通常は固定費である人件費を、変動費化できる。
    • 専門性の高い人材を獲得できるので、新規学卒者の教育訓練コストが節約できる。
    • 厚生年金や健康保険などの加入は派遣元の企業が行うため、人件費が節約できる。
    • 派遣期間にきちんと仕事をこなした者だけを後で正規に雇用できる。
  • 労働者にとってのメリット
    • 自由な時間・形態で働くことができる。
    • 自らの専門性を活かすことができる。
    • 正社員のようにいわゆるサービス残業をする必要がない。

一方で労働者側の立場に立って次のような問題点を指摘する専門家もいます。

  • 正規従業員の職場を、派遣社員が奪うことになりはしないか。
  • これまで限定された職種で認められていた派遣なので、技能を評価してそれなりに賃金も高かったが、ホワイトカラー全般に対象が拡大されると専門職という前提がなくなり、賃金がパート労働者の水準に近づいて下がるのではないか。
  • 労働者派遣法では、派遣の期間を原則的に最長3年とし、これを超えて同一人物を雇用する場合は正規採用することを企業に求めているが、実行力がないのではないか。

内容

労働者派遣に関して、以下のようなポイントがあります。主に労働者派遣法に規定されていることがらです。

  • 派遣対象業務
  • 原則的にどのような業務であっても労働者派遣の対象になります。しかし例外的に以下の業務については労働者派遣が禁止されています。

    1. 港湾運送業務
    2. 建設業務
    3. 医療関連業務(ただし、紹介予定派遣の場合には派遣が可能。)
  • 派遣の受入れ期間
  • 派遣の受入れ期間については、最長3年までというのが原則です。しかし以下については派遣期間の制限がありません。

    1. ソフトウェア開発や事務用機会操作、ファイリング、財務処理などのいわゆる26業務。
    2. 産前産後・育児休業を取得している労働者の代行業務
    3. 月の業務日数が派遣先の通常の所定労働日数の半分以下かつ10日以下の日数限定業務。

    上記以外の派遣期間に制限のある業務については、派遣先企業が派遣期間を超えて派遣労働者を使用する場合には、当該派遣労働者に対して正規の雇用契約の申込みをしなければなりません。また、上記のように派遣期間に制限のない業務の場合でも、同一の業務に同一の派遣労働者を3年を超えて受け入れており、その業務について新たに労働者を雇い入れようとするときには、派遣先企業は当該派遣労働者に対して正規の雇用契約の申込みをしなければなりません。
    ただし、紹介予定派遣の場合には、同一の派遣労働者について6ヶ月を超えて派遣を行なってはなりません。

  • 紹介予定派遣(テンプ・ツー・パーム)
  • 派遣就業期間終了後に派遣先企業に職業紹介をすることを予定とした労働者派遣であり、派遣就業期間終了後に改めて派遣先企業および派遣労働者の求人・求職に対する意思などを確認して職業紹介が行われ、派遣先企業に直接雇用へと結びつける制度です。

  • 派遣元および派遣先事業主の責任分担
  • 派遣労働者に対する使用者の責任は、本来雇用契約関係にある派遣元事業主が負うべきものです。たとえば、厚生年金や健康保険制度への加入および保険料の事業主分負担は派遣元事業主が行います。しかし、現実の指揮命令権が派遣先の事業主にあるため、以下の項目については派遣先が使用者責任を負うことになっています。

    • 労働時間、休憩、休日の規定
    • 時間外、休日労働、深夜業の規定
    • 年少者の労働時間の規定
    • 育児時間や生理休暇
  • 派遣元および派遣先事業主の講ずべき措置
  • 派遣元の事業主は、派遣労働者の人数に応じて規定の数の派遣元責任者を置かなければなりません。(100人以下なら1名以上、100人超200人以下なら2名以上、200人超ならば超過100人ごとに1人。)また派遣元管理台帳を作成し、3年間保管しなくてはなりません。

    一方、派遣先の事業主も、派遣労働者の人数に応じて規定の数の派遣先責任者を置かなければなりません。(人数あたりの派遣先責任者の数は上記派遣元責任者の場合と同じ。)ただし、派遣労働者を含む事業場の労働者数が5人を超えないときや派遣期間が1日以内であるときには船員する選任する必要はありません。また派遣先管理台帳を作成し、3年間保管しなくてはなりません。

英語

Worker Dispatching Act