労働契約法

個別労働紛争を解決するための労働契約についての民事的なルールをまとめた法律です。

労働契約法における「労働者」の定義

使用者の指揮・命令のもとに働き、その報酬として賃金を受けている場合には、「労働者」として労働契約法の対象となります。なお、「請負」や「委任」という形式をとっていても、実態として使用者の指揮・命令のもとに働き、その報酬として賃金を受け取っていれば、「労働者」になります。

労働契約の基本ルール

  1. 労働契約は、労働者及び使用者が対等の立場における合意に基づいて締結し、又は変更すべきものとします。(第3条 第1項)
  2. 労働契約は、労働者及び使用者が、就業の実態に応じて、均衡を考慮しつつ締結し、又は変更すべきものとします。(第3条 第2項)
  3. 労働契約は、労働者及び使用者が仕事と生活の調和にも配慮しつつ締結し、又は変更すべきものとします。(第3条 第3項)
  4. 労働者及び使用者は、労働契約を遵守するとともに、信義に従い誠実に、権利を行使し、及び義務を履行しなければなりません。(第3条 第4項) また、労働者及び使用者は、労働契約に基づく権利の行使に当たっては、それを濫用することがあってはなりません。(第3条 第5項)
  5. 使用者は、労働者に提示する労働条件及び労働契約の内容について、労働者の理解を深めるようにするものとします。(第4条 第1項)
  6. 労働者及び使用者は、労働契約の内容(期間の定めのある労働契約に関する事項を含む)について、できる限り書面により確認するものとします。(第4条 第2項)
  7. 有期労働契約については、「有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準」において、使用者は次の事項を行わなければなりません。

    1. 契約期間満了後の更新の有無等を明示
    2. 3回以上更新された契約や1年を超えて継続勤務している労働者の契約を更新しない場合、契約期間満了の30日前までに雇止めを予告
    3. 労働者の求めに応じ、雇止めの理由を明示
    4. 契約更新の場合、契約期間をできる限り長くするような配慮
  8. 使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとします。(第5条)

労働契約の締結

  1. 労働契約は、労働者が使用者に使用されて労働し、使用者がこれに対して賃金を支払うことについて、労働者及び使用者が合意することによって成立します。(第6条)
  2. 労働者及び使用者が労働契約を締結する場合において、使用者が合理的な労働条件が定められている就業規則を労働者に周知させていた場合には、労働契約の内容は、その就業規則で定める労働条件によるものとします。ただし、労働契約において、労働者及び使用者が就業規則の内容と異なる労働条件を合意していた部分については、第12条に該当する場合を除き、この限りではありません。(第7条)
  3. 就業規則で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は、その部分については、無効となります。この場合において、無効となった部分は、就業規則で定める基準によります。(第12条)
  4. 就業規則が法令又は労働協約に反する場合には、当該反する部分については、労働者の労働条件にはなりません。(第13条)

労働契約の変更

  1. 労働者及び使用者は、その合意により、労働契約の内容である労働条件を変更することができます。(第8条)
  2. 使用者は、労働者と同意することなく、就業規則を変更することにより、労働者の不利益に労働契約の内容である労働条件を変更することはできません。(第9条)
  3. 使用者が就業規則の変更により労働条件を変更する場合には、次のことが必要です。(第10条)
    1. その変更が、以下の事情などに照らして合理的であること
      • 労働者の受ける不利益の程度
      • 労働条件の変更の必要性
      • 変更後の就業規則の内容の相当性
      • 労働組合との交渉の状況
    2. 労働者に変更後の就業規則を周知させること

    労働契約の終了

    1. 使用者が労働者に出向を命ずることができる場合において、当該出向の命令が、その必要性、対象労働者の選定に係る事情その他の事情に照らして、その権利を濫用したものと認められる場合には、当該命令は、無効とします。(第14条)
    2. 使用者が労働者を懲戒することが出来る場合において、当該懲戒が、当該懲戒に係る労働者の行為の性質及び態様その他事情に照らして、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、当該懲戒は、無効とします。(第15条)
    3. 解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とします。(第16条)

    有期労働契約の締結

    1. 使用者は、期間の定めのある労働契約について、やむを得ない事由がある場合でなければ、その契約期間が満了するまでの間において、労働者を解雇することができません。(第17条 第1項)
    2. 使用者は、期間の定めのある労働契約について、その労働契約により労働者を使用する目的に照らして、必要以上に短い期間を定めることにより、その労働契約を反復して更新することのないように配慮しなければなりません。(第17条 第2項)

    英語

    Labor Contract Act