
マーケティングとは、顧客、依頼人、パートナー、社会全体にとって価値のある提供物を創造・伝達・配達・交換するための活動であり、一連の制度、そしてプロセスである。(AMAの2007年の定義)
定義
マーケティングは、誕生以来100年程度しか経ていない、比較的新しいものです。いわば発展途上で、対象とするテーマが多岐にわたり、その範囲も著しく拡張しています。それだけに、マーケティングという概念をひと言で端的に表現することは難しく、その定義もさまざまなものが存在しています。
- AMA(アメリカマーケティング協会)の定義
- 1965年の定義
- マーケティングとは、生産者から消費者もしくは使用者への財および用役(サービス)の流れを指示する企業活動の遂行をいう。
- 1985年の定義
- マーケティングとは、個人および組織の目標を満足させる交換を創造するため、アイデア、財、サービスの概念形成(コンセプト)、価格、プロモーション、流通を計画し、実行する過程である。
- 2004年の定義
- マーケティングは、組織的活動であり、顧客に対し価値を創造し、価値についてコミュニケーションを行い、価値を届けるための一連のプロセスであり、さらにまた組織および組織のステーク・ホルダーに恩恵をもたらす方法で、顧客関係を管理するための一連のプロセスである。
- 2007年の定義
- マーケティングとは、顧客、依頼人、パートナー、社会全体にとって価値のある提供物を創造・伝達・配達・交換するための活動であり、一連の制度、そしてプロセスである。
- JMA(日本マーケティング協会)の定義
- 1990年の定義
- マーケティングとは、企業および他の組織がグローバルな視野に立ち、顧客との相互理解を得ながら、公正な競争を通じて行う市場創造のための総合的活動である。
- フィリップ・コトラー(Philip Kotler)の定義
- 1967年の定義(「Marketing Management」– 第1版)
- マーケティングとは、企業の、顧客へむけての、資源政策および活動を利潤をあげながら、特定の顧客層の欲求を満足させるという視点のもとに、分析し組織づくりをし、計画を立案し、管理することをいう。
- 1997年の定義(「Marketing Management」– 第9版)
- マーケティングとは、個人や集団が、製品および価値の創造と交換を通じて、そのニーズや欲求を満たす社会的・管理的プロセスである。
- ピーター・ドラッガー(Peter F Drucker)の定義
- セオドア・レビット(Theodore Levitt)の定義
コトラーの定義(1997年の定義)では、マーケティングの出発点が消費者のニーズや欲求(ウォンツ)の充足にあることが強調されています。彼はニーズまたはウォンツを満たすものは「製品」であると位置づけてますが、この製品とは、物やサービスだけでなく何らかの活動、人間、場所、組織、アイデアなどが含まれる概念です。そして、ニーズとウォンツが存在し、それを満足させる製品があるだけでは必要条件がそろったにすぎず、交換という十分条件があってへじめてマーケティングが成立するとしています。さらに交換について、交換過程によって何らかの価値が得られるものであることから交換は価値創造過程であると説明しています。すなわち、消費者の必要性(ニーズ)や欲求(ウォンツ)の充足を通じての利益獲得こそがマーケティングの意図すべきところとされているのです。
マーケティングの究極の目標はセリング(売り込み)を不要にすることである。
マーケティングとは、顧客の創造である。
起源
アメリカにおいてマーケティングという用語が登場したのは1900年~1910年の間といわれていますが、どの文献の中で最初にマーケティングという用語が使われたのは定かではありませんが、1900年代初頭に大学の講義要綱にマーケティングという用語が使われています。
米国の大学の講義要綱
- 1905 The Marketing of Products
- Univ. of Pennsylvania
- 1909 Marketing of Products
- Univ. of Pittsburgh
- 1910 Marketing Methods
- Univ. of Wisconsin
ヤマウチの考え
マーケティングとは、「相手に何かをしてもらうための働きかけ。」だと考えています。
- 企業のマーケティング
- 企業のマーケティングは、お客さまに商品・サービスを、買っていただくための働きかけです。
- 大学のマーケティング
- 大学のマーケティングは、受験生に教育プログラムというサービスのために、受験してもらうための働きかけです。
- 政治家のマーケティング
- 政治家のマーケティングは、有権者に自分の名前で、投票してもらうための働きかけです。
- 観光地のマーケティング
- 観光地のマーケティングは、観光客(お客さま)に観光地へ、訪問してもらうための働きかけです。
- 禁煙キャンペーン支援団体のマーケティング
- 禁煙キャンペーン支援団体のマーケティングは、喫煙者に禁煙キャンペーンを、理解してもらうための働きかけです。
このように、企業以外でも、マーケティングは身近なところにたくさんあります。
ここで、企業のマーケティングに話しを戻します。
企業は組織です。組織とは、「同じ目標に向かって、きちんと仕事を分担して行う、人たちの集まり」です。組織は、社会的責任を果すためにも、経営を永続するためにも、利益をあげなくてはいけません。その利益はお客さまから頂いています。そのことをふまえ、企業経営で行わなくてはいけないことは以下の2つです。
- お客さまに商品やサービスを買っていただくこと。
- それを作るのにかかったお金より、お客さまが払ってくれたお金が多いこと。
この「お客さまに商品やサービスを買っていただくこと。」についても、マーケティングの一部だと思います。