企業の社会的責任(CSR)

企業の社会的責任(CSR)とは、利害関係者集団(ステーク・ホルダー)の経済的ならびに社会的欲求を満たすためになさなければならないこと。

意味

CSRはcorporate social responsibilityの略です。企業は利益を上げるのはもちろん、企業倫理や法令を守り、社会貢献や環境対策などの面で一定の責任を果すことが重要であるという考え方です。

CSRについては、近年戦略的 CSRとして、社会と企業にユニークかつインパクトの大きいメリットをもたらす活動が注目されています。「どうすればCSRが最も効果的に競争状況を改善しうるのか」といった、企業の競争優位に繋がり、株主利益と融和しうる効果をもたらすCSRへ取り組みです。トヨタの排ガス問題への対応としてのハイブリッドカー (プリウス) などが例としてあげられます。戦略的CSRは、企業と社会に共通の価値を創出するための投資といえます。

企業の社会的責任をめぐって、肯定的な立場と否定的な立場から2つの議論があります。

社会的責任の肯定論
社会的責任の肯定論は、「企業は営利目的以上に、社会的な問題の解決に積極的に貢献しなければならない」という立場をとります。これは、利潤追求は企業の目的の1つにすぎないのだ、という考え方です。現代社会においては、企業の規模が肥大化して国や地方公共団体と同じような権力を有するようになり、社会的に大きな影響力を及ぼすようになったので、企業はより大きな社会的責任を負っているという見解に基づいています。例としては、アメリカの大きな企業は町と同じ規模で病院や学校などを所有しており、社会的に大きな責任があるといった例があげられます。
社会的責任の否定論
社会的責任の否定論は、「企業が営利目的を追求することで、結果的に社会的な問題の解決に貢献している」という立場をとります。企業が利潤を追求すれば、獲得した利潤から税金を支払うことになります。この税金は国や地方公共団体の手で社会的な問題の解決に使われるわけですから、利益を出した企業は間接的に十分な社会的責任を果たしていることになります。そして、税金以上の社会貢献を企業自らが行うと、その分のコストが製品やサービスの価格に転嫁され、結果的に価格の上昇を招いて社会的な損失につながる、という考えかたです。
「否定論」とはいっても、企業に社会的責任があるということを全面否定しているわけではありません。

英語

Corporate social responsibility

豆知識

corporate は「企業の」という意味です。

social は「社会的な」という意味です。

responsibility は「責任」という意味です。

responsibility の語源は、respondere (レースポンデレ)というラテン語で、「応答する」という意味です。本来の語源ではないですが、response (応えること)ability (できる)、と考えるとわかりやすいと思います。